更新履歴

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【  2013年04月  】 

第五章(13)

第五章

2013.04.29 (Mon)

どちらにしても採算がとれぬ……と、見合わせた顔には書かれていた。 兵を招集しことに当たるのならば、早いほうがよい。しかし、与えられた期日では……。誰の顔にも疲労の色が濃く出ていた。 一日で結論を導くのは無理と判断した議長は、明朝の再開を提案した。 あくる朝になっても、議場の暗くよどんだ空気は変わらなかった。皆、まんじりともせずに夜を明かしたに違いなかった。議論の内容も堂々巡りであった。しかし、回答を携...

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第五章(12)

第五章

2013.04.28 (Sun)

「まったく、無茶を要求するにもほどがある……。まだ若いが、内乱を短期間で鎮めた切れ者と聞いていたが、それが、どこの誰ともわからぬ輩〔やから〕に、弟を殺されたくらいで我を忘れるほど、実際のところは浅はかだったのか? それに、弟とはいえ、半分しか血がつながっておらぬというではないか……」「……まあ、いわゆる面子が立たぬというのでしょうな、大公国〔あそこ〕はさようなお国柄ゆえ」 幾人かが、かすかな軽蔑を含んだ...

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第五章(11)

第五章

2013.04.27 (Sat)

Ⅱ.「不当にすぎる!」 使者の持ち帰った懸案は、商業都市カリンの評議会に、ユディウスの予想どおりの反応を引き起こした。 都市の代表として選ばれているのは七人の男たち。いずれも商人である。 協議のおこなわれる広間の壁には精緻な四季の風景が描かれ、天井には星々を模した金や銀の切片がちりばめられている。地方領主の居城に匹敵する華やかさであるが、御座のたぐいは設けられておらず、各人の序列を表すものといえば...

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第五章(10)

第五章

2013.04.21 (Sun)

使者は早馬で去った。 城門に焚かれた篝火がそのうしろ姿を照らすのを見届けると、ユディウスは卓上に目を移した。長机の上にはリーンサルの地図が広げられている。 彼が夜を過ごしているのは、天守閣〔キープ〕の最上階の小部屋であった。そこからだと城門はおろか、いまは闇に溶けて見えぬ、はるかかなたのリーンサルの城塞都市まで見通すことができる。 彼に臣従する領主たちは夢にも思わぬようだが、実際にリーンサル領内に...

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第五章(9)

第五章

2013.04.20 (Sat)

「それでは……」 使者は再度交渉をもちかけた。今度はユディウスが明確な答えを返す番であった。 彼が口にした額は、十中八九、使者に与えられた権限を大幅に超えていたのであろう。男はかすかに眉を寄せると、「それはいささか……すぐにはお答えいたしかねる問題でございます」「そなたが全権を委任されて来たわけではないのか」 疑問ではなく確認のためにユディウスは尋ねた。「畏れながら。我が国は合議に諮〔はか〕ることをつ...

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