更新履歴

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【  2013年05月  】 

第五章(20)

第五章

2013.05.19 (Sun)

年、と言ったのはナルドのことである。 何百年生きてきたのかうかがい知れぬ妖魔にしてみれば、たかだか六、七十にしかならぬ人間の魔道士など赤子にも等しいのだろう。しかし外見上は、どう見てもダルカンのほうが上である。前大公の信も篤い。そのような老将をあからさまにないがしろにしているところを諸将が目にしたら、何と誤解されるか……。 見かねたユディウスが苦言を呈したことがあったが、妖魔は、「何でわたくしめが、...

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第五章(19)

第五章

2013.05.18 (Sat)

執務室の机に落ちついても、思考は留まることがなかった。 ヴァラールの一派に恩赦を与えると決めたとき、ユディウスは、いまと同じように反対したエドラスに対し、大伯父の持つ封地を従兄弟に継承させることを許すという手札を切ってしまっていた。しかもそれを書面にまでしている。公金横領の罪でエドラスを失脚させても領地は手に戻らぬし、なにより、それ以外の面では有能な宰相なのだ。ヴァラールほどの善政を敷いていなくと...

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第五章(18)

第五章

2013.05.12 (Sun)

Ⅳ.「喜べアンドール、商売ができるぞ」 帰着後、行き会った直臣にユディウスがかけた言葉は、学者肌の青年をとまどわせた。「……カリンへ向かわれたのは、討伐のためではなかったのですか?」「それはあとでおいおい話してやる」 ユディウスは執務室へつながる、大広間の扉を自ら開け放った。べつにそこを経由せずとも部屋にはゆけるのだが、果たして、彼の大伯父は、扉があいたのにあわせて、ゆっくりとふり向いた。「これはこ...

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第五章(17)

第五章

2013.05.11 (Sat)

使者の顔には安堵がうかがえた。 ほっとしたのはユディウスも同じであったが、それを悟られては、これまでの苦労が水の泡だ。彼は、はじめから両国のあいだに何も禍根はなかったかのように、使者をねぎらった。 息を吐〔つ〕いたのは、男とその従者が城門を抜け、丘の向こうに消えたときであった。 彼の手には、丸められた誓紙がある。「これでますます忙しくなりますな」 彼の心中と寸分違〔たが〕わぬ科白〔せりふ〕を、ナル...

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第五章(16)

第五章

2013.05.06 (Mon)

Ⅲ. 定められた刻限どおりに、使者は戻った。 自身の要求がカリンの評議員たちのあいだに相当な混乱を巻き起こしたであろうことは想像に難〔かた〕くなかったが、ユディウスはつとめて平静を装っていた。 それは使者の男も同じであった。旅の疲れを押し隠し、はじめてやってきたときと同様、寸分の隙もない装束でユディウスに面している。 今回も一対一である。評議会側の回答を伝える使者の口上を、ユデイゥスは黙って聞いて...

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