更新履歴

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【  2014年02月  】 

第七章(11)

第七章

2014.02.23 (Sun)

「お喚〔よ〕びでしょうか」 赤の山形紋〔シェヴロン〕に緑の葉を茂らせた林檎の大樹という、紋章つきのサーコートをまとってはいるものの、総帥の前に立った金茶の巻き毛の青年は、騎士というにはいささか細身であり、その貴族的に整った目鼻立ちにはそこはかとなく高い教養がにじみ出ていた。「ソフィアン」 オランドは副官の名を呼び、自分に近い折畳み椅子に腰をおろすのを許した。これは青年の地位にあっては特別扱いといえ...

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第七章(10)

第七章

2014.02.11 (Tue)

 キュリア王国は北方に、帝国との境となる山並を持つほかは、比較的なだらかな平野の広がる地勢である。リーンサルから流れ込む幾筋もの河が大陸の東端で海に注ぐため、流れはゆるやかになり、そのぶん川幅も広くなる。 架けられている橋が、ひとつを除いてすべて木製であることにオランドは気づいていた。 石材が不足しているわけではない。現に、こちらはあちこちで見かけるカルミア神殿や市庁舎は、優美な彫刻をふんだんに飾...

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第七章(9)

第七章

2014.02.09 (Sun)

Ⅲ. 最後通牒の効果は覿面〔てきめん〕であった。 それから七日とたたぬうちに、オランドとリクハルドとは馬上の人となっていた。 向かう先はカルタンの城である。そこで最終的な戦支度を整え、ターツの部族民とドワーフどもが居座る砦へと軍を進めることとなる。 頼ってきたはいいがいまいち乗り気ではないリクハルドに対し、帝国側が決着を急ぐのにはわけがある。 静観の構えを決め込んでいるキュリア貴族らの動きも気にな...

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第七章(8)

第七章

2014.02.08 (Sat)

「――そなたもたいがいしつこい男よの、リュベール。聞いてもそなたにはどうにもできぬであろうが」「――まさか北領をそっくり割譲すると申し出たのではありますまいな?!」「――いやいくら何でもさような取り決めをするはずがなかろう」老公爵は少しあわてて、「まあ当初は、王城をとり戻せるなら領地のいくらもくれてやって惜しくはないという話もないわけではなかったがの……さすがにそこまでには至らぬ。せいぜいが河川の――」 思い...

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第七章(7)

第七章

2014.02.02 (Sun)

Ⅱ. 帝国軍人のいかつい姿が議場から消え、ほかの出席者たちも三々五々散ってゆくと、残ったのはアンティエ老公とカルタン候であった。 ふたりは示し合わせて残ったのではなく、カルタンが老公爵を引き止めたのである。「公爵閣下、何ゆえかように多勢の帝国軍を御許〔みもと〕に引き込みなさったのか」「引き込んだとは人聞きの悪い。殿下はこれまで仮暮らしの身の上ゆえ、己の騎士団をお持ちでない。それゆえ加勢を頼んだのじ...

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