更新履歴

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【  2014年11月  】 

第十章(11)

第十章

2014.11.30 (Sun)

「失礼、ネルバ伯爵夫人」「これはコレオーニ伯爵様、御機嫌よう。ご健勝のご様子で、なによりですわ」 寵姫の“友人たち”は、彼のために場所をあけてくれた。「今夜はまたすごい人出ですな。私などしばらくご無沙汰しておりましたゆえ、新参の顔が増えるとどうも……ご紹介していただけませんかね、伯爵夫人?」「もちろんですわ。――と申しましても、すでにご承知と思いますけれどもね。こちらの可愛らしいおかたが、マデハ男爵夫人...

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第十章(10)

第十章

2014.11.29 (Sat)

 広間の向かい側に目をやると、大公たるユディウスが、黒髪の娘に飲みものを取ってやり、何事かにこやかに話しかけている光景があった。 十五、六とみえる娘はみずみずしく、絹糸のような黒髪には白い花を飾り、瞳と同じ緑のドレスに身を包んでいるさまは湖の精を思わせた。頬が赤らんでいるのは、飲み慣れぬ酒のせいばかりではあるまい。 娘はオリヴァといい、父親は、裕福ではあるが貴族ではない。塩から金細工の取引まで手広...

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第十章(9)

第十章

2014.11.27 (Thu)

Ⅲ. バロキア伯ダレッツォ・ドラン・エ・コレオーニは、隠しきれぬ秋波をその身に浴びて、満更でもない心持でいた。 男盛りの五十前、波うつ黒髪をきれいにうしろへ撫でつけ、高い頬骨とすっきりとおった鼻筋が精悍な印象を与えるともっぱらの評判である。 実際、外見だけではない。封地に妻子はあるが、領内のそこここの街に愛妾を持ち、大公の宮廷に伺候すれば、宮女にちょっかいをかけたこともまれではないのだ。 ここ数年...

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第十章(8)

第十章

2014.11.24 (Mon)

 メッサリナの心算どおり、ユディウスは彼女への寵を、廷臣にもはっきりわかるように示すようになった。名ばかりとはいえ男爵夫人の称号をも与えた。ほかの女官には許されていない、三間続きの部屋をあてがい、さらに、そこへ三日とあけず通うようになったのである。 当然、寵姫として彼女に贈られる装身具や小間物なども、結構な額となる。それは大公個人の財産目録を管理するレッジェーロにさえ、眉をひそめさせるものであった...

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第十章(7)

第十章

2014.11.23 (Sun)

「嫌あねえ、あのかたの肖像画をご覧になりまして? わたくし、ご本人を存じ上げておりますけれど――ご本人より美しく描こうとなさるのは当然としても、色の黒すぎるのは隠せませんでしょう。まったくの別人になってしまいますものねえ。あれでは殿下も、お気に召されるはずはありませんわよ」 容姿はもとより、身分がある、とはいえ、「まあ何て図々しいんでしょう、爵位をお持ちと言ったところで、たかだかここ数十年の、いえ何...

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