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【  2015年05月  】 

第十二章の登場人物

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2015.05.30 (Sat)

 先に白状しますと、この章でマリウスが唄っている詩はオリジナルではなく、8世紀のアラブの詩人アブ・ヌワースの作です。 それまでアラブの詩人には縁がなかったのですが、 友〔原文ではビシュル。意味は同じ〕よ、剣と戦いは私に何の関係があろう。 私は遊びと楽しみのために生まれてきたようなもの。 私は合戦と出陣の求めに臆病となる男、 だから、私を頼りにしないでくれ。 …というのを見た瞬間、「これはオマエのこと...

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第十二章(27)

第十二章

2015.05.24 (Sun)

「太陽がその顔〔かんばせ〕を隠し、夏に母なる大河が凍り、蛙が降るのは、最高神〔ディトゥール〕の意に添わぬ者が玉座に座って居るからだと……おっと、むろん私の言ったことではありませんからな。彼奴らが勝手にそう言っているというだけのこと」「不敬にもほどがある」と、貴族のひとり。「しかしかような妄言を吐かれては、〈霧が丘〉が黙ってはおるまい」グラシャスが言った。前〔さき〕に「不敬」と口にした貴族がうなずく。...

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第十二章(26)

第十二章

2015.05.23 (Sat)

「これほどまでに結構なものを、畏れ入ります」一応、座の主となっているモンスティエ侯爵が代表して礼を述べた。「して、陛下には、もう?」 神秘の木の実がまだあるのならほかの誰にも渡したくないという魂胆がはからずも口調ににじみ出ていた。「いや、陛下には献上しておらぬ」グラシャスはつとめて何でもないふうに言った。「ここのところなかなかにお目どおりのかなわぬゆえ」「さようでしたか……」 皇帝よりも先に希少な品...

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第十二章(25)

第十二章

2015.05.19 (Tue)

 従僕がうやうやしく蓋をあける。臙脂色の絹が張られたなかには鶉〔うずら〕の卵ほどの焦茶色のかたまりが六つ入っていた。 何の変哲もない、否〔いや〕、醜くさえ見えるその物体を、グラシャスを除く全員が怪訝そうにのぞき込む。「菓子ですよ」「――これが?」 彼らにはとうてい、人間の口にする食べ物とは思えなかったに違いない。菓子といえばもっと色が薄く、透きとおった飴がけがしてあったり、干したり蜜漬けをした李〔す...

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第十二章(24)

第十二章

2015.05.17 (Sun)

 四阿の卓の上には月の光を透かす玻璃の杯に白葡萄酒が注がれてあり、涼しげな水晶の器には小海老のゼリー寄せに薄荷〔はっか〕を添えたものが供されたところであった。 人数といい場所柄といい、月を愛で、美味佳肴を愉しむくらいしか用のないありさまである。若さにまかせて夜どおし踊りあかすといった催しは、もはや彼らとは縁遠い。代わりにこうして、若輩者にはまだ理解の及ばぬ風雅な遊びにふけるためのささやかな席を設け...

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