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第十二章

第十二章(1)

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「……陛下におかれましては昨夜より激しい頭痛で……薬湯をお持ちしようにも、床を踏む音でさえお頭〔つむ〕に響くと仰せなれば……」
 彼がいつになく手荒く、起床の更衣をつとめる小姓を追い払ったせいで、あわてて閉め忘れた樫の扉のすきまから、困惑しきった侍従長の声が漏れ聞こえてくる。
 ウルバインはひと抱えもある羽根枕のあいだに痛んでもいない頭をつっこみ、何とか眠ろうとつとめていた。昨夜の居酒屋はだいぶ酒代をごまかしているとみえ、出された葡萄酒はかなり水で薄めてあったようだ。あれでは樽一杯飲んだところで、コルドゥアン神に屁をひらせることさえできはすまい……。
「さて、臣の奏上したいずれの懸案が果たして陛下をお悩みあそばしていることでしょうな。三日前、それとも五日、十日前でしょうかな? なにしろ、ここのところ久しくご尊顔を拝しておらぬものですから」
 これは宰相候だ。
(……ふん、あいにくと耳はいいんだぞ……)
 草木の伸びるのを聞き分けると言われる生粋の森妖精族ほどではないが、おかげで、侯爵オルウェの持つ紅茶碗がカタカタ音を立てているのに気付くことができたのだ。むろん、聞こえていると承知で言っているのであろう宰相候の嫌味が耳に入らぬわけがない。
(オルウェも馬鹿な男だ……。己〔おれ〕などに関わらねば、いまごろ安穏と暮らしていられただろうに……)
 オルウェをそそのかしたであろう人物の心当たりは腐るほどあった。あえて尋ねるのも面倒なほどだ。
 ウルバインとて、一度や二度毒を盛られて死にそこねたからといって、昔いたという皇帝のように、自身が狩りで獲ってきた獲物を自室で捌いて食べるような真似をしたくはない。それではまるきり狂人ではないか……。
(……いや、本当に馬鹿なのは己か……)
 手負いの獣よろしく羽根布団をひっかぶり、呻吟し、煩悶すること一刻半。
 その間、近づく小姓たちを噛みつかんばかりに追い返したために、いまでは皆、寝室の外から遠巻きに様子を伺うばかりであった。
 しかし〈霧が丘〉の至高神〔ディトゥール〕の神殿から、刻〔とき〕を知らせる鐘の音が聞こえてくると、彼のなかの虫が騒ぎ出した。
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~ Comment ~

NoTitle

毒を盛る時代は終わりましたが。。。。
それでも今の世界に感謝ですね。
食事を安心して食えない環境は・・・人を狂わせますね。
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