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第十二章

第十二章(12)

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 夏とはいえ、大陸の北東に位置する帝都では、ときに夜半をすぎると肌寒く感じられることがある。まだ湯気ののこる風呂屋から一歩踏み出ると、清涼な風が火照った首筋をくすぐった。
 いかにごみごみした路地裏でも、人気〔ひとけ〕の失せた今は、風の吹きぬけてゆくばかりで、ごみやどぶの臭いも吹き散らされてしまっている。にぎやかだった居酒屋も、すでに客ははけたとみえ、話し声もせぬ。
 この時分はさすがに辻馬車などはやっていない。頭をめぐらせれば、北東の空に月光を浴びて、ぼんやりと宮殿の尖り屋根がうかびあがった。
 彼の脚をもってすれば、のんびり歩いても二刻とはかからぬだろうし、そのころには二の郭の門もあく――
 ひとつ目の角を曲がったところであった。
 月の光さえろくに届かぬ暗がりで、建物にへばりつくようにひそむ人影がある。おまけに、どうやら相手はひとりではないようで、何事かぼそぼそと囁き交わす声も聞こえる。背格好からして、男のようだ。
 娼家の娘に言われずとも、気温と同じくらい懐のさむい輩がうろついているのには勘づいていた。彼がそういったごろつきと遭遇せずにきたのは、恵まれた体躯のためか、あるいはあまり金を持っているようには見えぬそのなりのせいだろう。
 今夜も向こうは彼のいるのは気付いておらぬようだった。そのまま行き過ぎようとしたとき、
「……んだってこれっぽっちなんだ?!」
 いかにもな言葉にウルバインの足が止まる。
 男の影になりよく見えぬが、背の低いもうひとりが蚊の泣くような声でなにやら弁明しているよう。
(……やれやれ)
 こそ泥同士の会話なら、人の近づく気配で逃げ去るだろう。
 彼はわざと足音を立てるように路地裏へ踏み入った。
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