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第十三章

第十三章(6)

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「小母〔おば〕さん! 大変だよ、小母さん!」
 うろんな旅僧の剣幕におそれをなしたおかみは、通りがかった顔なじみの鍛冶屋の女房を呼んだ。
「何だね」
 老婆は節くれ立った手に杖代わりの箒を握りやって来た。
そのうちにも、庁舎の前には大声を聞きつけた人々が集まりつつあった。
「――こ、このお人が、都の王さまの首をすげかえねえと、おっそろしいことが起こるっちゅうて……洪水だかなんだかで麦も全部枯れちまうって」
 老婆は曲がった腰をおっくうそうに伸ばし、彼をじいっと見据えた。
 彼は胸をそらせて立っていた。年老いた女ほど、説き伏せやすい者はいないのだ。
「我が言〔ことば〕を疑うかね、ご老人? だが、このような長雨は、そなたの長い人生においても稀〔まれ〕――」
 しかし彼の説教は途中でさえぎられた。
「馬鹿こくでないよ、地主の三男坊が、王さまに向かってェ! うち、あんたのこと知っとるよ。丘のふもとの荘司の息子だろ! いまは兄さんがあと継いどる。都へ行ったとかいってしばらく顔みせんと思ったら、そんなおかしな話にとりつかれてたんかね!」
 老婆の言葉に勇気づけられたか、ほかの聴衆も勢いづく。
「まったくだ。ああ、おっかねえことばっかりべらべらしゃべりやがったと思ったら、でまかせか! そったらことぬかしてっと、いまにばちが当たんぞ。役人に言いつけられんうちにとっとと家さ帰って、兄さんに頭下げて雇ってもらうんだな」
「役人なんて呼ばんでも、小母さん、その箒で性根を叩き直してやればいいんでないのかい」
「そりゃ、そうだわ」
 嫗〔おうな〕が箒の柄をくるりと持ちかえ、まるでどぶ鼠でも追い払うかのように打ちかかってきたので、彼はほうほうの態で退散せざるを得なかった。
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