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第十三章

第十三章(8)

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 男は神殿で初歩を学んだあと、〈学院〉のほうで学問を修めたと言った。〈学院〉――エクレシアの高等魔術教育機関は、帝国の文人のあいだではある種の畏怖とあこがれをもって口にされる名であった。そこでは世界創世の真理を究めているという……。
 ひたすらな信仰と恭順を求める〈霧が丘〉の神官たちは良い顔をしないが、王侯貴族の家庭教師は〈学院〉の出身者であったし、近ごろではそれが富裕な商人のあいだにも広まっているという。二十何年前には考えられなかったことだ。〈学院〉に入るには、魔法の才の持ち主でなければ大陸共通語のできるのが最低条件であったから、その点でも彼には機会〔チャンス〕はなかったのだが。
「……ええ、ご専門は何と仰いましたかね?」
 徴税吏に頭を下げていたときの地主の息子の地が出てしまい、彼はかすかに顔を赤らめた。
「いえいえそんな、専攻というほどのものでもない、私の齧った学問など、レジス殿の説かれるお言葉に比べたら、何ほどのものでもありませんよ。王道に勝る学問なし、でしょう……?」
 彼の顔がさらに赤みを増したのは恥ずかしさのためではなかった。無学な農民たちにおそれられあがめられるのと、相応の学識を持った者に支持共鳴されるのとでは霄壤〔しょうじょう〕の差である。
 彼はこれまで説いてきたことのほかに、ひとり心のうちであたためてきた考えを男に披露した。というより、男がいちいち深くうなずきながら先をうながすので、知らず知らずのうちに多くを語ってしまったのである。
「……いやはや」
 男はフードをかむったままの頭を右に左にかたむけ、唸った。「拝聴するだに、ただただ頭の下がる思いでおります。こう申すのも何ですが……〈霧が丘〉のかたがたは、わたくしなどからみても少々柔軟にすぎる……まあ、ありていにいえば現世利益のみを追求しておられるようですからねえ……純粋にディトゥール神の御神意に添っているとはとても……」
「まさしくそのとおり!」
 彼は腰を浮かせていた。
「〈霧が丘〉へゆかれるのがよろしいでしょう」男はひそやかにささやいた。
「行って……論戦を挑まれるのです。いやご心配は無用、何といってもレジス殿には雷帝の御加護がおありになる……神官騎士とてうかつに手は出せませんでしょう。むこうが何やかやと言い逃れしてくるようなら……それこそ正統はどちらか、おのずとあきらかになろうというもの」
「……ああ。もちろんだ。……」
 熱にうかされたように、彼は力強く拳を握りしめた。
実際、男に言われると何でもそのとおりにはこぶように思われた。そうだ、この男こそ、俺の手足となってはたらくよう雷帝のつかわした者に違いない……まこと神は偉大なり。
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