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第十三章

第十三章(18)

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神苑は吹き抜けで、呼びとよむしかけなど何もありはしないはずだのに、託宣の声は殷々と響いた。
「雷鳴は怒りの叫びのごと、また長雨〔ながめ〕は嘆きの涙と知りおくべし。ことさらに憂いの深きは、それすなわちまつろわぬ者どものため」
 いよいよお役ご免か、とウルバインは思った――が、
「鵞鳥のいかに声高に叫ぶとも、鷲のひと声に敵〔かな〕いはせぬというものを――その身にふさわしからぬものを求めるやつばらには、よこしまなものの詰まるはらわたを裂かれ、冥王の贄〔にえ〕の祭壇にて永劫なる火に焼かれることこそ唯一〔ただひとつ〕の救いの道となるべし」
 最後の言葉はそれこそ隣に雷の落ちたように轟いた。
 音響と神託そのものの意味が与えた衝撃から立ち直ったウルバインは、ますますもうもうとする煙のなかで目をしばたたかせた。
「それは……つまり……」
「雷帝は邪教〔よこしまなおしえ〕を説き人心をまどわせる不届き者どもの征伐を望んでおられる」祭司が言った。
 上目遣いに見ると、煙のむこうの人影は消えていた。
「やつばらを根こそぎひったて、そのむくろを御神前に捧げよとの仰せ」
(……しかし遠目で見た限りでは、彼奴らはただの、丸腰の坊主の集団のように見えたぞ。それを……)
「――よいな、しかと心得おくべし」
「…………」
 煙と見分けのつかぬほど分厚い雲に覆われた空からぱらぱらと水滴が落ちてきた。
「さあ、迅〔と〕く事を為せ」
 ふたたび深く頭〔こうべ〕を垂れ、ウルバインは退出した。神前で神託に異議を申し立てるほど、彼も愚かではない。
 荘厳な神殿の回廊と同様、戻ってゆくウルバインの面持ちもまた重苦しいものであった。いかに至高神の御神託といえど、己の主義主張を叫び立てているだけの徒手の者たちを軍馬の蹄にかけて蹴散らすなど、騎士の誓いにかけてしたくはない。神官たちの言うように、彼らはたしかに狂っているのかもしれないが――狂っているのならなおのこと、己が何をしているのか、ほんとうにはわかっていないはずだ。わかっていて悪を為すのと、そうでないのには、大きな違いがあるはずだ……。
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